※本記事は中級者以上についての説明です。窓について知りたい方はコチラをクリックしてください。
実際に窓埋めトレーダーはどうやって「窓埋め」トレードを実践してるのか???
またブレイクアウトやトレンド転換などのエントリー、手仕舞いの一つの参考にもり、他の手法と組み合わせやすい手法になります。
「窓埋め」は将棋でいう「棒銀」のように、語り切れないほど奥の深い手法です
4種類の窓とは
窓といっても実際には4つあります。
・(普通の)窓~Common Gap):株式での「配当落ちGap」もこの一つ
・息切れギャップ~Exhaustion Gap:トレンドの終了を示唆
・継続ギャップ~Continuation Gap:トレンドの継続を示唆
・ブレイクアウェー・ギャップ~Break away Gap:レンジブレイクを示唆
+α:アイランド・リバーサル
それぞれについてみていきましょう
普通の窓~Common Gap
これが「窓は必ず埋める」と言われる由縁の窓です。
基本的に意味はなく、すぐに埋めるとされます。Fxではスプレッドの広がる時間などによく起きたりすることがあります。
例)EUR/USD 1分足(※Trading Viewよりチャートを引用)
※Common Gapについては短い時間足での例になります(出現頻度が高いため)
2023年5月13日(月)の朝のチャートになります。大きく窓を開けているように見えます(1分足のため実際は小さい)。市場が開いて7時には窓を埋めています。
逆張りでトレードしている人にとっては、利確の一つの参考になります。
※心理的の要素についてはコチラを参照してください
普通の窓Common Gapでは基本的にトレードは推奨されません!!!
特に月曜の早朝などはスプレッドが広がっていることも多く、損切りの設定が困難だったり、リスクリワードが悪くなり、トレードしにくいです。
※詳細は初心者向け記事を参照してください。
どうしてもトレードしたい場合は「投資苑」では以下のように記載されています。
・方針:Common gapでない窓を「騙し(実際はCommon gap)」とみてトレード
・エントリー&利確&損切り
上窓→高値更新がひと段落ついたら売る、利確は窓埋め、損切りは直近の過去の高値の上
下窓→安値更新がひと段落ついたら買う、利確は窓埋め、損切りは直近の過去の安値の下
です。
この「ひと段落」の予測、損切り位置の設定、が初心者には難しいです。
逆張りでトレーディングシステムを構築している人は、利確などの一つの目標になり使いやすいGapでもあります。
Common Gapについて
「あらゆるGapの中で最も利用価値のないGapといえます」
と評されています。
また、出来高については
「Common Gapの出現の日の出来高はわずかに増加する場合があるが、それに続く数日の出来高は平均に戻るのが普通」
と言われています。
息切れGap~Exsaustion Gap
息切れGapとは
「窓をあけたあと、その直近の高値(下降トレンドなら安値)を超えられないもの」
です。
特徴は
・トレンドの終わりごろにできやすい
・息切れGapは、窓埋めをして初めて確認される(窓埋めがなければ継続Gap)
です。
注意点として、
・上窓か下窓かは関係ありません!
※下図で仮に下窓であったとしても、窓埋めして直近安値を超えてなければ息切れGapです。
例)USD/JPY 日足より(※Trading Viewよりチャートを引用)
2022年12月~2月上旬までの強いダウントレンドから一転して反対方向に窓(Gap)を形成(※青丸)
この窓(Gap)が息切れGapとなり上昇トレンドへ転換しています。
投資苑では
・方針:トレンド終了として逆張り
・利確&損切り
利確は高値更新(下降トレンドなら安値)が終了したとき
損切りは直近の安値(下降トレンドなら高値)
と言われています。
「高値更新が終了した」という判断をどうするが、一つのポイントになります。パターンラインを用いたり、直近の安値が切り上げを考えるのもよいでしょう。
※私自身は利確目標として下記のものを使用しています。
・フィボナッチ
・前のトレンドでのクラスター(前回もみ合ったライン)
・直近のサポートラインや抵抗線(クラスターと同じことが多い)
・自分で引いたトレンドライン
・切りのいい数字
利確や損切については各々のトレーディングルールを作り、検証、修正を繰り返しましょう!
▷プライスアクション(※詳細な足やクラスターの分析は割愛します)
2月2日に安値を切り上げ、2/3の大きな陽線でラインブレイク(Wボトムを形成)。大きな陽線で直前でのもみ合いがないため、パターンラインを確認しに行く可能性が高いことが予想されます。翌日には窓をあけ十字線が出現、パターンラインの確認ともに窓を埋め、Exsaustion Gapである可能性が濃厚になりました。この窓埋めのラインの前後でもみ合いWwパターンを形成、その後トレンド転換しました。
人によってエントリーしたいタイミングは
①窓が生じる前の大陽線がWボトムのブレイクとして積極的に逆張り
②Exsaustion Gapの窓埋めで逆張り
③短期MAへの髭が多いタイミングで逆張り
④短期MAとパターンラインの中で押し出される瞬間にトレード
上記以外に、オシレーター系、バンド系の指標で逆張りを行っている人もいるかと思います。
自分なりに手法が確立されていれば、どう逆張りしても良いかと思います。
Exsaustion Gapもあるので、やはり確度は高いのでは?と認識できるのは大きいです。
Gapトレードの特徴としては、エントリーがExsaustion Gapの確認になるため、かなり早いタイミングでエントリーできること、ラインブレイクを確認しにいく動きをしっかりと安心して待つことができる利点があります。
継続Gap~Continuation Gap
継続Gap(Continuation Gap)とは
「力強いトレンドの中で生じ、窓を埋めることなく高値や安値を更新し続けること」
です。
特徴は
・Gap出現後に数日間、高値(もしくは安値)を更新し続ける
・トレンドの開始点からGapの距離分だけ、トレンドが継続することが予想できる
ことです。
注意点として、
・Exsaustion Gapとの違いは「窓を埋めないこと」※騙しの場合もあります
・Gap形成後の出来高が直近平均の50%以上あること
が必須です。
今までのトレンドに、新たな勢力が勃興したことを示しています。
つまり今まで市場に参加した人に、さらに様子を見ていた人たちが市場に参加し始めたことを意味しています(そのため出来高も増加)
いわゆる2レッグの起点となることが多いです。
例)トヨタ自動車 週足より(※Trading Viewよりチャートを引用)
2017年9月の第2週と3週の間に継続Gapが出現しています。また第3週の窓をあけた足が確定した際の出来高も直近の50%以上あります。
・方針:トレンドフォロー
・利確&損切:
利確はトレンド開始点~Gap分を目標に
損切はGap形成の前の足を目安に
※↑ではトレンド開始点:2017年4月の第4週になります。
※またストップロスは近づけて損を減らしていきます。
Break away gap
ブレイク・アウェーギャップ(break away Gap)とは
「価格がレンジから出来高を伴って値が飛び、新しいトレンドが生じたとき」
に生じます。
特徴は
・数日間連続して高値(安値)を更新
・レンジの期間が長いほどトレンドの期間も長くなる
・トレンドに乗り遅れることが少ない
などです。
注意点として、
・Break away gapの後は何年も埋まらないことがある
ため、
よく初心者が
「Common gapと思い、永遠と損したポジションを持ち続けうる窓」
になります。
例)トヨタ自動車 週足より(※Trading Viewよりチャートを引用)
1993年3月第3週と第4週の間にBreak away gapが出現しています。また出来高も第4週は第3週の2倍程になっており、Break away gapを示唆しています。
レンジは非常に長く上昇トレンドの期間も長く継続しています。
※なお、このGapは2023年6月現在も埋めていません。
投資苑では、
「Break away gapは集団心理の変化を示しています。すなわち、それは新しいトレンドの背後にある大きな圧力の存在を示しています」
と解説されています。
私の経験上、
「Break away gapはダブルの圧力に伴ってできることが多い」
印象です。いづれにせよ、大きく市場心理が傾いたことを示しています。
投資苑では
・方針:窓の開いた方向にブレイクを狙う
・利確&損切
利確:窓が出現してからすぐ(乗り遅れないように)
損切り:高値(もしくは安値)を更新できなくなった時
です。
個人的には利確は伸ばすべきであり、トレンドが転換するまで、もしくは直近の意識されているライン(抵抗線や切りのいい数字など、息切れGapと同様に)まで持ち続ける方が好きです。
※その分、勝率は落ちることは許容する必要があります。
他のテクニカル分析では、ファンダメンタルな要因等で大きく動いた場合に乗り遅れてしまう場合が多々あります。
▷プライスアクションでは
3月第3週までのレンジに対して、4週目に大きく窓を開けて十字線が出現しました。この十字線は抵抗線の上でもみ合っており、エネルギーが溜まっています。この十字線の高値を4月第1週で超えた瞬間がレンジブレイクが確定しており、プライスアクションでも良いエントリーポイントが出現しています。
今回の場合は十字線が出現したため、教科書のようなエントリーポイントになりました。しかし、決算等のニュースの場合、今回のようなエネルギーをためるような足がでない場合があります。一般的には、こういった時はエントリーしない方が良い(後でブレイクの確認にくる場合が多い)とされています。
しかし、窓埋めトレード(Break away gap)では早いタイミングでエントリーをすることができます。
アイランド・リバーサル
アイランド・リバーサル(価格の離れ小島)とは
「①継続Gap(Continuation Gap)、②Break away gap の組み合わせ」
です!!!
非常に珍しいパターンですが、相場が反転のサインです。2つのGapの組み合わせになるため、反転の確度はかなり高いものになります。
Take Home message
確度の高い窓埋めトレードをするなら
・レンジブレイクやトレンドの開始点から狙うなら、Break away gapを
・トレンドの継続を狙うなら、Continuation Gapを
・逆張り好きなら、Exsaustion Gapを(利確目安にも使えます)
・Common Gapを狙うならかなり短い時間足で、レンジの中でなど条件を絞って
などの色々使い道がたくさんです。
くれぐれも、適切な資金管理は忘れずに!
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